山西省は中国古代の歴史的遺産が多く残された地である。寺院、石窟、塔、城などが各地に点在して、まさに「古代建築の博物館」と驚かされるところである。さらにそれらの古さ、歴史的位置付けと良好なる保存状態は中国全土にその重要性が知れ渡るほどである。中国に遼の時代(907~1125年)以前の木
造建築物が多く残されているが、その約72.6%が山西省に集中している。
もちろん山西省が石像、塑像、壁画などの貴重な古代芸術の宝庫であることは周知のとおりである。山西省には5ヶ所の国家遺産に指定された城と119ヶ所の
指定文化財があり、国宝級文化財に至ってはその数がはっきりしないほど多い。そして、北京から延びる万里の長城はこの地にも龍のような胴体を横たえてい
る。
古代から近代に至る戦争の遺跡、古今の名士たちが贅を尽くして建築した家屋敷等々・・・これら他に例を見ない歴史的文化財は山西省の貴重な観光資源
となっている。また山西省はその勇壮な景観にも定評がある。
五台山は「中国四大仏教山」のトップに挙がる山であり、景観の美しさは言葉にすることすら難し
い。道教の聖地である北岳垣山(こうざん)は中国五大山岳の一つに数えられる。他にも太行山(たいこうさん)、北武当山(きたぶとざん)、五老峰(ごろう
ほう)、綿山(めんざん)、霊空山(れいくうざん)、歴山(れきざん)など美しい峰が連なる山岳地にはこと欠かない。
さらにうねる黄河が18の支流と数千
にものぼる小さな渓流が横切たびに大きくさま変りする風景は山西省の豊富な自然をそのまま反映する。山深くに位置する「壷口(ここう)の滝」とその下流の
龍槽渓流(りゅうそうけいりゅう)はその荘厳さ、激しさで中国中に名を知られている。
綿々と長く連なる歴史、重厚なる文化、勇壮かつ華麗な大自然、そのすべてが山西省にはある。山西省を見ずに中国5000年の歴史は語れない、この地を見ずに中国の大自然は語れない。